Blog : ブログ

2028年トレンドカラー予測・暮らしや感情を整えながら印象を残す色へ

自然の温もりと、未来の静けさをつなぐ5色

本記事では、2028年のカラーを単なる流行色としてではなく、社会の空気や消費者の感情、素材表現、住空間の変化と結び付けながら考察します。色を選ぶことは、見た目を整えるだけでなく、これからの暮らし方や価値観を可視化する行為になっていくでしょう。

2028年のトレンドカラーは、強い刺激で目を引く色から、暮らしや感情を整えながら印象を残す色へと重心が移っていきそうです。中心となるのは、赤土や焼き物を思わせるRadiant Earth。そこに、植物の落ち着きを感じるSerene Green、希望を象徴するPositively Yellow、生命の広がりを思わせるFlourish Pink、情報社会に静かな余白をつくるOffline Blueが加わります。これらの5色は、ファッション、テキスタイル、インテリア、プロダクトを横断し、自然素材と先端素材の両方に対応するカラーグループとして注目されます。

Radiant Earth(ラディアント・アース)Coloroコード:017–42–31

暮らしに根を張る、温かな新ニュートラル

Radiant Earthは、乾いた大地、赤土、焼成された陶器などを連想させる、赤みを含んだ深いアースカラーです。オレンジのような活力を持ちながら、ブラウンやテラコッタに通じる落ち着きも備えています。そのため、面積を広く使っても圧迫感が出にくく、空間や製品に安心感を与えられる色です。

2028年には、白やグレー、ベージュだけに頼らない「色のあるニュートラル」として存在感を高めるでしょう。無垢材、陶器、革、リネン、ウール、左官仕上げなど、自然な質感を持つ素材との相性がよく、手触りや経年変化まで含めて豊かな表情をつくれます。

テキスタイルでは、土の層、岩肌、木の年輪、乾いた植物、夕暮れの光などを抽象化した柄に向いています。マットな生地では素朴な温かさが生まれ、光沢素材では銅や錆、夕焼けのような奥行きが現れます。インテリアでは、ソファやカーテンなどの大きな面に使うほか、タイル、照明、クッション、アートの差し色として取り入れる方法も有効です。

Radiant Earthの魅力は、過去を懐かしむだけの色ではない点にあります。自然への信頼感を持ちながら、これからの暮らしを支える強さも感じさせる。2028年のアースカラーは、素朴さと未来性を同時に表現する色へと進化していきそうです。

トレンドカラーの赤みメイクと花

erene Green(セリーン・グリーン)Coloroコード:076–86–07

植物の気配で、心と空間を整える

Serene Greenは、鮮やかな植物色というよりも、若葉、ハーブ、苔、青みを含んだ葉のような静かなグリーンです。目に入った瞬間に強く主張するのではなく、空間の中に穏やかにとどまり、見る人の感覚を整えてくれます。

情報や刺激があふれる日常では、視線を休ませる色の価値が高まります。Serene Greenは、自然とのつながりを感じさせながら、過度に素朴になりすぎないバランスを持っています。住宅では、壁、カーテン、ラグ、キッチン収納、ファブリックパネルなど、生活の中で長く目にする場所に使いやすいカラーです。

Radiant Earthと合わせると、土と植物の関係を思わせる自然な配色になります。Linenや淡い木質色を加えれば明るく軽い印象になり、Offline Blueと組み合わせれば、森の中や深い水辺を思わせる静かな世界観がつくれます。Positively Yellowを少量加えると、春の日差しのような明るさも生まれます。

テキスタイルでは、葉や茎を写実的に描くよりも、繰り返しのリズム、透けるシルエット、にじみ、重なりで植物の気配を表現すると現代的です。細かな線描や不均一な織り、リサイクル素材の表情ともよく合います。

2028年のグリーンは、自然を飾るためだけの色ではありません。持続可能性、休息、回復、共生といった価値を、静かに伝えるための色として広がっていくでしょう。

水色の花のような抽象的な模様

Positively Yellow(ポジティブリー・イエロー)Coloroコード:043–85–34

日常に光を差し込む、前向きなアクセント

Positively Yellowは、淡いクリーム色よりも明るく、ネオンほど強くない、前向きな印象を持つイエローです。太陽の光、熟した果実、照明、朝の空気などを思わせ、停滞した空間に軽やかな動きを加えます。

この色は、全面を覆うよりも、視線が集まる場所にポイントとして使うと効果を発揮します。住宅では、ダイニングチェア、照明、クッション、アート、棚の背面などに取り入れると、空間に会話が生まれるような明るさを加えられます。ファッションでは、バッグ、靴、帽子、ソックス、プリントの一部など、面積を抑えた使い方が取り入れやすいでしょう。

Radiant Earthと組み合わせれば、夕日のような温かい配色になります。Offline Blueと合わせると、深い海に差し込む光のような知的なコントラストが生まれます。Serene Greenとの組み合わせでは、植物と日差しを思わせる、自然で親しみやすい印象になります。

2028年のイエローは、単純な「元気さ」だけを表現する色ではありません。不安定な環境の中でも、小さな希望や創造性を選び取る姿勢を示す色です。明るいけれど軽すぎない、楽観的でありながら現実感のあるアクセントとして活用されるでしょう。

テキスタイルでは、織り柄の一部や刺しゅう、細いストライプ、抽象柄の点描などに使うと、品よく印象を残せます。マットな素材では穏やかに、サテンやメタリック素材では光を強く受けて、より未来的な表情になります。

黄色い衣装の女性、2028年トレンドカラー予測

Flourish Pink(フラリッシュ・ピンク) Coloroコード: 012–65–24

自然とデジタルの間で育つ、柔らかな生命色

Flourish Pinkは、甘さや可愛らしさだけに寄りかからない、成熟したピンクです。花が開く瞬間、肌の温度、夕暮れの光、柔らかな果実などを思わせ、見る人に穏やかな生命感を伝えます。

2028年のピンクは、感情を強く訴える色というよりも、ケアや共感、人とのつながりを表現する色として重要になります。ベージュ、Linen、淡いグレーと合わせれば、落ち着いた上品さが生まれます。Offline Blueや深いパープルと組み合わせると、静けさの中に現代的な緊張感が加わります。

インテリアでは、寝室、ホテル、サロン、ウェルネス空間などに適しています。壁全面に使う場合は彩度を抑えた仕上げにすると、長時間過ごしても疲れにくい印象になります。クッション、ベッドリネン、カーテン、アートなどに部分的に取り入れれば、空間に人の気配や柔らかさを加えられます。

テキスタイルでは、花柄をそのまま描くよりも、花弁の重なり、細胞のようなパターン、にじみ、透過、デジタルグラデーションで表現すると新鮮です。起毛、シアー、ジャカード、細かな光沢など、素材の表面変化によって色の印象を変えられる点も魅力です。

Flourish Pinkは、弱さを示す色ではなく、丁寧に育てることの価値を表現する色です。効率やスピードが重視されてきた社会の中で、時間をかけて回復すること、人をいたわること、生活に美しさを戻すことを象徴するカラーになりそうです。

ピンクの髪と花を持つ女性

Offline Blue (オフライン・ブルー) Coloroコード:123–52–27

つながり続ける時代に、静かな余白をつくる

Offline Blueは、深い海や夜の空を思わせる、落ち着いたブルーです。一般的なネイビーよりも感情的な深みがあり、ブラックほど硬くなりすぎません。視覚的なノイズを抑え、集中や休息に向いた雰囲気をつくります。

常にオンラインで情報を受け取り続ける生活の中で、あえて接続を切る時間が重要になります。Offline Blueは、そのような静かな時間や、自分の内側に戻る感覚を色で表現します。住宅では、書斎、寝室、読書スペース、ホームシアター、ホテルのラウンジなど、気持ちを切り替える場所に向いています。

Radiant Earthと合わせれば、空と大地のような安定したコントラストが生まれます。Flourish Pinkとの組み合わせでは、夜の中に灯る花や光のような繊細な印象になります。Positively Yellowを加えると、深い青の中に小さな光が浮かぶような、視認性の高い配色になります。

ファッションでは、黒の代わりに使える深色として、コート、ジャケット、バッグ、靴、ニットなどに展開しやすいでしょう。インテリアファブリックでは、ベルベット、ウール、厚手のリネン、マットな合成繊維などと組み合わせることで、落ち着いた高級感が生まれます。

Offline Blueが示すのは、未来的な冷たさではありません。情報から距離を置き、静かに考え、深く休むための場所です。2028年のブルーは、権威や形式だけでなく、安心して自分を保つための色として再解釈されていくでしょう。

青いテクスチャのクローズアップ

5色の使い方

今回の5色は、すべてを同じ分量で使う必要はありません。色ごとに役割を与えると、ファッションやインテリア、ブランドビジュアルに応用しやすくなります。

役割カラー使用イメージ
主役・基調色Radiant Earthソファ、カーテン、アウター、バッグ、基調柄
自然の中間色Serene Green壁、ラグ、植物柄、ニット、タイル
明るい差し色Positively Yellow照明、椅子、小物、ステッチ、柄の一部
柔らかな感情色Flourish Pinkクッション、寝具、花柄、化粧品、アート
引き締め色Offline Blue書斎、ソファ、コート、靴、ブランド背景

配色の一例として、住宅ではRadiant Earthをソファやカーテンの主役にし、Serene Greenを壁やラグに使います。Offline Blueを椅子や建具の一部に取り入れ、Positively Yellowを照明や小物で加え、Flourish Pinkをクッションやアートに使うと、落ち着きの中に生命感のある空間になります。

テキスタイルでは、Radiant EarthとSerene Greenを地色にし、Offline Blueで柄の輪郭をつくる構成が使いやすいでしょう。Positively YellowとFlourish Pinkは、全体の5〜10%程度のアクセントに抑えると、華やかさを保ちながら商業性も確保できます。

2028年のトレンドカラーは、単に新しい色を提示するものではありません。自然素材の安心感、デジタル社会から距離を置く静けさ、そして未来へ進むための明るさを、一つのカラーストーリーにまとめるものです。Radiant Earthを中心に5色を組み合わせることで、流行に左右されにくく、暮らしや製品に長く使えるカラー提案へと発展させることができます。

モダンリビングルーム、グレーのソファとアート

引用元・参考情報


株式会社ALBAテキスタイルデザイン事務所へのご依頼ご相談・お見積もりはお気軽にどうぞ。

まずは無料相談お問い合わせはこちらから。


執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]