ALBA では、AI と手描きを「対立」ではなく「補完」と捉えています。AI でコンセプトを素早く可視化し、バリエーションを大量生成。その中から、手描きで情感と「手触り」を宿す最終図案へ。スピードと情感を両立するハイブリッドなワークフローが、これまでにないテキスタイルを生み出します。

画像生成 AI と絵筆の親和性:試行錯誤の時間を、上質さへ
画像生成 AI と、絵筆を使って手を動かすことの親和性は、まさに「探索の効率化」にあります。絵の具と筆で描いた絵画を画像に取り込み、生成 AI でバリエーションを広げ、その中からさらに上質なものを筆を使い、絵描き直す。この循環が、新しい表現を生み出します。
かつて有名店のシェフがスペシャリティを作る際、数多くの試作品を大量な時間をかけて試し試食して、1 つの組み合わせにたどり着き、その味を守り、スペシャリティとしてレストランに並べていました。ですが、この「検索する」「探り当てる」といったところに費やす時間を短縮できれば、もっと上質なスペシャリティが手に入る。それが今の AI 時代の仕事の進め方です。
テキスタイルデザイナーにとって、AI 画像生成は「試作の高速化」を実現するツールです。手描きの原画を元に AI がバリエーションを生成し、デザイナーが選別・修正する。このワークフローにより、従来の 10 倍の速度でコンセプト検討が可能になります。

絵を描くという事は必ずアウトプットが必要
絵を描くという事は必ずアウトプットが必要です。紙面に画像が表現されて、初めて人は視覚的にそれを認知し、良し悪しの判断をします。ですが、必ずしも常に共感共有できるものがアウトプットできるとは限らない。それがデザイナーの仕事です。
そのすり合わせていく作業を、かつては手作業で全て書き起こし、バリエーションを作り、その中から双方選び抜いていくという進め方としていました。ですが、近代ではその「およそのあたりをつける」というところを AI の画像生成が補完します。
ALBA のワークフローでは、まず手描きでラフスケッチを作成し、それを AI に読み込ませてバリエーションを生成。生成されたパターンのうち、方向性が近い案を選び出し、再度手描きで精緻化する。この「手描き→AI→手描き」の循環が、クオリティとスピードを両立します。

プロンプトの限界と、手描きの必要性
プロンプト(言語配列)による画像生成には、本質的な限界があります。例えば「青い空」といっても、明け方なのか夕暮れなのか、澄んだ空なのか、抜けるような高い空なのか。この辺の表現は、言葉で言い表せない部分があります。
なぜなら、絵画と比較すると、言語ははるかに細分化されていない表現方法だからです。曖昧なプロンプトは、AI に「推測」を強い、学習データの平均的なパターンから引き出してきます。そのため、細かな指示を AI にしていこうと思うと、どうしても言葉だけでのプロンプトのみでの指示では限界があります。
絵を描くというのは、厳密に微妙な色合い、微妙なニュアンスまで表現できる唯一の方法です。そこで筆者は、プロンプトのみでの指示ではなく、実際に手で書いた画像を合わせて、複数のタッチや表現、微妙なイメージを作成し、それをプロンプトと合わせて生成することにより、イメージに近づいたアウトプットを手に入れています。

Photoshop・Illustrator の導入から学ぶ、新しい技術との向き合い方
かつて Adobe の Photoshop や Illustrator が一般の家庭や小さなデザインスタジオでも導入することができるようになった際、それ以前のカラーコピーでデザインを複製する、画像をコラージュするなどのような図案は賛否がありました。その時代に、そのような技法や新しい技術を手に入れ前に進んだデザインスタジオのみが、現代にも生き残りました。
さらに AI の時代になり、その AI の画像の生成の仕方をブラッシュアップしていくこと自体が、これからのテキスタイルデザイナーのあり方になるのではないでしょうか。いろいろなツール、いろいろなテクニカルなものを自身の絵筆としてどのように取り込んで、どのような持ち合い方をするかにより、アートワークの幅は大きく変わっていくのです。
2026 年現在、画像生成 AI の活用は「デザイナーの必須スキル」になりつつあります。Midjourney、Stable Diffusion、Adobe Firefly などのツールを駆使し、手描きと AI を行き来するワークフローを確立すること。それが、これからのテキスタイルデザイナーに求められる力となります。


まとめ:ALBA のハイブリッドワークフロー
ALBA のハイブリッドなワークフローは、AI のスピードと手描きの情感を両立します。
- AI 活用フェーズ:コンセプトの素早い可視化、方向性の検討、バリエーションの大量生成
- 手描きフェーズ:最終的な図案の精緻化、情感の付与、ブランド固有の「手触り」の表現
テキスタイルデザインの新しい可能性を、ぜひご覧ください。ALBA では、AI と手描きを補完するデザイン制作を通じて、クライアントのブランドに最適なテキスタイルを提案しています。
株式会社ALBAテキスタイルデザイン事務所へのご依頼ご相談・お見積もりはお気軽にどうぞ。
執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]