「2027年、鮮やかに市場を彩る主役カラーの全貌」
本稿では、WGSNとJAFCAの最新発表をもとに2027年のトレンドカラーを分析し、ファッション・テキスタイルデザインの視点から今後の表現方向を探ります。2027年は活力あふれる色彩が中心。鮮烈なブルーと躍動感あるビタミンカラーで、新たな時代のエネルギーを表現。
目次
ビタミンのように元気を与える色調
2027年のカラーシーンは、落ち着きの中にも輝きを放つ「ルミナスブルー」が基調となります。この色は静かな品格を保ちつつ、鮮やかで高貴な存在感を持ち、市場の中核を担う色として脚光を浴びています。また、このブルーに対して、「エナジーオレンジ」と「ポップピンク」の組み合わせが活発さを加え、全体としてビタミンのように元気を与える色調が目立ちます。2026年のイメージを受け継ぎつつ、よりアクティブで力強いカラーの登場が予想され、デザインには新鮮な活気が蘇るでしょう。市場は再びポジティブな活力を求めており、ビビッドかつ感情を刺激するカラーが注目されています。一方、親しみやすさと柔らかさを同時に表現し、デザインの幅を拡げる重要な役割を担います。これらの色が組み合わさることで、2027年の色彩トレンドは新たな地平を切り開きます。
【2027年春夏トレンドカラーの特徴】
ルミナスブルー
- 静けさのなかに気品が漂う高貴なブルー。クールながらも温かみが感じられ、ブランドに安心感と信頼をもたらします。多様なデザインに調和し、核となる色として重宝される存在です。
エナジーオレンジ
- 鮮烈な暖色で活力を象徴。挑戦的でありつつも親しみやすく、見る人に元気を与えます。アクセントに最適で、デザインに躍動感やクリエイティビティを加える役割を担います。
ポップピンク
- 柔らかさとモダンさが共存する色。女性的な温かみを添えつつ、さりげなく明るさをプラスします。さまざまなカラーと調和しやすい万能アクセントカラーです。
メドウランドグリーン
- カーキがかったライトグリーンで自然の安らぎを感じさせます。ニュートラルカラーとして人気が高く、落ち着きと清涼感を同時に兼ね備えた色です。ナチュラル志向のデザインに最適。
クレイ
- ピンクのアンダートーンを持つアースブラウン。温かみと土の質感を連想させ、柔らかさと安心感を与えます。全体のバランスを整えるナチュラルカラーで、多用途に使いやすい色調です。
【2027-28年秋冬トレンドカラーの特徴】
ラスセット
- 落ち着いた赤褐色で秋冬の温かさを表現。クラシカルかつ安心感があり、着る人に自信を与える色。伝統とモダンが融合したエレガントなシーズンカラーです。
ディープグリーン
- 深みのある濃緑で自然の神秘と調和を象徴。黒の代替としても使われ、万能でエレガントなカラー。シックで重厚感があり、洗練された印象を演出します。
ピースフルライラック
- 軽やかで未来的な紫がかった色彩が特徴。心を穏やかにし、同時にクリエイティブな刺激を与える。柔らかさと先進性を兼ね備えた秋冬に映えるカラーです。
メイズ
- 黄金色に近い輝く黄色で喜びや希望を象徴。秋冬の装いに明るさを加え、ポジティブな印象を映し出します。多彩な素材と相性が良く、季節のアクセントに最適です。
2026年トレンドカラー予測：バックナンバー記事はこちら
後書き
2025年は、先行き不透明な状況や社会の緊張感から脱却し、新しい未来への期待感や希望を色彩で表現する年となりました。この時期のトレンドカラーは、そこから溢れる再生のエネルギーとクリアな視界を象徴し、徐々に明るい未来へ歩む兆しを示しています。続く2026年には、より鮮明で澄み渡る色合いが台頭し、市場の主体的な力を増していく様子が見られました。
そして2027年には、蓄えた体力で市場が一段と活気づき、明るく軽やかな色彩が溢れ出します。これらのカラーは元気と前向きなムードを醸成し、トレンドを強力に牽引していくでしょう。精神的にも物理的にも回復しつつある社会に寄り添い、未来志向のクリエイティブを後押しする色彩の潮流は、次の時代への鮮やかな道標となるはずです。
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引用元：WGSNとColoroの発表に基づく「トレンド予測：WGSNが予測する2027年春夏カラー」https://fashionunited.jp/news/fashion/ranueidefa-jian-wgsngayu-ce-suru2027nian-chun-xia-kara/20251014532223
引用元：2027-28年秋冬トレンドカラーhttps://fashionunited.jp/news/fashion/wgsntocolorogafa-biao-2027-28nian-qiu-dong-torendokara/20250917529546
執筆：代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之：株式会社ALBA・[ 著者情報 ]