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はじめに:絵を描くことで広がる世界
ALBAが描くテキスタイルデザインは、筆の感性と京都の文化から生まれる。

テキスタイルデザイン事務所、株式会社ALBAは、京都を拠点に活動を続けてきました。私たちは数多くの国内外ブランドと共に、ファブリックの魅力を追求し、図案という「絵づくり」の力で世界を広げてきました。 テキスタイルデザインとは、単に柄を描くことではありません。筆を持ち、一枚の紙に向き合うとき、そこには素材の質感、光、季節の色、そして人の感情までもが刻まれます。花柄の一枚を描く時も、茎の曲がり方や花弁の透け感など、自然の美を観察しながら、布になる表情を想像して筆を走らせます。 手で描く線は、デジタルでは再現しきれない「人の温度」を持ちます。ALBAは筆に宿る力を信じ続け、その描線から無数のプリントデザインを生み出してきました。アパレルプリント、ファブリック製品、ホームテキスタイルへと展開する過程で、絵が柄となり、柄が製品へと息づいていく。その連鎖の中に、私たちの仕事の本質があります。

テキスタイルデザイナー:図案家という職能の本質
図案家とは、布の未来を描く者です。図案を創る工程には、ブランドデザイナーとの対話、シルエットや素材感の理解、そしてトレンド分析のすべてが含まれます。その中で最終的に「布として完成するイメージ」を形にすることが、図案家の使命です。 可愛らしい花柄、中小柄、幾何学模様、抽象画のような構成——。どれも単なる絵ではなく、アパレル製品の印象を決める要素となります。ALBAではこれまで、アパレル外注やOEM図案依頼などを通し、さまざまなブランドの要望に応じて描き分ける力を磨いてきました。 図案づくりでは、「伝える」より「感じさせる」ことが重要です。言葉ではなく線と色で語る。それが図案家の言語です。京都という土地に根づいた繊細な感性と、筆を持つ時間の積み重ねが、私たちの表現を支え続けています。

プリントデザイン:図案という布の美学
プリントデザインはテキスタイルの顔。原画で描かれた1枚のデザインが布地へと展開されるとき、そこには高度な技術と美的判断が求められます。 ALBAでは、手描き図案:原画を取り込み、高解像度でデータ化。配色、反復構成、柄の展開をデジタル上で調整しながら、アートワークの息づかいを失わないプリントを追求します。使用インクやプリント方法(染料、顔料、インクジェット)による発色の違いも検証し、テキスタイルの素材に合わせた最良のバランスを提案します。 たとえば、水彩調の花柄は繊細なタッチを残しながら透け感を大切に。モードな幾何柄では構成の緊張感を保ち、ブランドの持つ世界観を視覚化する。ALBAのプリントデザインは、描線・構図・素材の三要素を融合させる“総合的な布の芸術”を目指しています。

京都発 テキスタイル文化の継承
京都は古くから図案と染織の都として知られています。友禅染、帯、織物に受け継がれた意匠美は、現代のテキスタイルデザインにも脈々と息づいています。 ALBAが京都に拠点を置く理由は、この地の持つ文化的な深さと、日常にある“意匠の美”にあります。四季が移ろうたびに変わる空や花の色、町家の格子模様、神社の装飾の線――。それらがすべて、図案家の心を刺激する素材です。 ALBAは京都発信のテキスタイルデザイン会社として、伝統技術を現代的に再解釈し、アパレルやインテリア、海外コレクションへ送り出していきます。図案文化は過去のものではなく、今も呼吸し続ける「生きた創造」。その継承と革新を、私たちは一筆一筆に込めています。

筆の力を信じる理由
筆で描くという行為には、瞬発力と記憶の層が共存しています。紙にのせた墨や絵の具が偶然作り出すにじみ、乾く途中の色の変化――それらはすべて作品の一部であり、意図では制御できない豊かさを生みます。 ALBAが筆にこだわるのは、そこに「人の存在」が残るからです。AIやデジタルツールが発達する今だからこそ、アナログ的な筆跡や手の圧力が持つ“ゆらぎ”が際立ちます。その微妙な不均一さが、布に生命をもたらす。まっすぐな線よりも、どこか揺れている線のほうが温かい――それがテキスタイルの魅力です。 何千枚という図案を描いてきた経験の中で、ALBAは「筆を重ねることが知識を蓄えること」であると実感しています。線の中に時間が刻まれる。描いた作品の一枚一枚が、私たちの中に積み重なり、技術となり感性となっていくのです。 筆は、記憶を継ぐ道具。そして未来を描く手段。ALBAはこの筆の力を信じ続けることで、図案家としての存在価値を示し続けています。

ブランドと共に創る[テキスタイルデザイン]
ALBAの仕事の多くは、国内外のブランドデザイナーとの共同制作によって進められます。ヒアリング、テーマ設定、イメージ共有、ラフ提案、修正、完成へ。図案は常に「ブランドの声」と対話しながら生まれるものです。 花柄ひとつでも、柔らかく親しみやすいトーンを求めるブランドもあれば、都会的でシャープな構成を望むブランドもあります。ALBAはその世界観を丁寧に汲み取り、筆づかい・配色・構図のすべてを調整して“そのブランドらしさ”を表現します。 ときには新しい挑戦も。難易度の高い依頼や、抽象的なテーマに応える現場で、ALBAは筆を進ませながら新しい発想を生み出してきました。こうして共業を重ねる中で、ALBAの“引き出し”は増え続けています。 図案とは、コミュニケーションの結晶です。ブランドとデザイナーが信頼のもとに作り上げる図案こそが、製品の深みと価値を高めます。ALBAはその「共創の現場」に立ち続けています。

[テキスタイルデザイン] でブランドを構築
アパレルの世界では、図案一つで製品の印象が大きく変わります。たとえば同じワンピースでも、柄が変われば季節感もターゲット層も変化します。テキスタイルデザインはまさに「ブランドを語るもう一つの言語」です。 ALBAのプリントデザインが採用されたブランドでは、絵筆で描いた花柄が春夏の新作を象徴し、全国店舗のヴィジュアルテーマとして展開されました。水彩画のような滲みが柔らかい風を感じさせ、ブランド全体のトーンを上品にまとめたのです。 一方で、クールな幾何学柄を用いたシリーズでは、無機質なリズムと大胆な構図が、モードな存在感を際立たせました。まったく違う表情でも、根底にあるのは「布を美しく見せる」という同じ理念。ALBAの図案は製品を超え、ブランドの記憶そのものとなっていきます。 テキスタイルデザインがアパレルを変える。文字通り、柄がファッションの流れを動かす。私たちはその現場で、創造と挑戦を繰り返しています。

未来へ続く京都の図案文化
ALBAの原点は「手で描く文化を未来へつなぐ」という想いにあります。京都には千年を超える意匠の歴史があり、職人の細やかな感性が今なお日常に宿っています。 しかし、私たちが描くのは古いものの再現ではありません。京都の精神を未来的なデザインへと昇華させること――それがALBAの使命です。伝統と革新の間で、筆を走らせる。その一筆には、過去から学び未来を紡ぐ意志が息づいています。 テキスタイルデザインという仕事は、単に流行を追うものではありません。描かれた線や色の奥に、人の感性や文化が息づく。それを布を介して世界に伝えることが、私たちの使命です。 ALBAは京都から、新しい図案文化を世界へ発信します。絵を描くことの喜びを忘れず、筆が生み出す無限の可能性を信じながら。

Q&A:よくあるご質問
Q1. 図案依頼の流れを教えてください
ご相談からテーマ共有、ラフ提案、原画制作、データ納品まで一貫して対応いたします。アパレル外注や企画担当の方々にも柔軟にサポートいたします。
Q2. オリジナルプリントの制作は可能ですか?
はい。花柄、中小柄、幾何柄、抽象柄など多彩なジャンルの図案をオーダーメイドで制作いたします。素材に合わせた柄のサイズ調整・配色提案も可能です。
Q3. 京都発信の強みは?
京都には染織・図案・デザインの伝統が揃っており、その美意識がALBAの図案を支えています。伝統と現代感覚を融合し、世界へ発信するのが私たちの強みです。
Q4. 「絵を描く」ことへのこだわりは?
筆で描くことで、デザインに“温度”と“生命”が宿ります。アナログの偶然性が布に深みを与える――それがALBAのテキスタイルデザイン哲学です。
プリントデザイン図案や柄制作の外注をお考えの方は、公式コンタクトフォームよりぜひ一度ご相談ください。
手描きが生み出す“小さな偶然”
手描きの線には、デジタルでは再現できない“ゆらぎ”があります。筆圧の強弱、インクのかすれ、紙の繊維が作る微細な滲み。その一つひとつが、デザイナーの呼吸と時間を閉じ込めた「小さな偶然」です。株式会社ALBAテキスタイルデザイン事務所では、この偶然を大切なデザイン要素として扱っています。完璧な均一よりも、手仕事ならではの不揃いさが、布に生命感と温度を与えます。私たちはデジタル技術を補助的に活用しながらも、最初の一筆、最初のインクの広がりを何よりも重視しています。そこから生まれる線や形が、次の構図へと自然につながり、誰にも真似できない独自のリズムを生み出します。人の手が描くからこそ、テキスタイルに“物語”が宿る――それがALBAの手描きデザインの原点です。

つながり続ける柄の設計
繰り返し柄(リピートパターン)の設計は、まるで果てしないパズルのようです。どこを切っても自然に柄がつながり、視覚的なリズムとバランスを保つことが求められます。ALBAテキスタイルデザイン事務所では、この構成を「つながり続ける美しさ」として捉えています。1枚の絵を描くのではなく、無限に広がる空間の一部を設計する——それが柄づくりの本質です。手描きで制作する場合は、細部の調整や筆の勢いまで計算しながら、感覚的にも心地よい流れを意識します。デジタル上で確認を繰り返しながら、視覚の途切れをゼロに近づける地道なプロセス。結果として、どの角度から見ても自然で、しなやかに布の上を流れるようなデザインが完成します。連続する柄の中にも、手描きならではのリズムが息づいていること。それがALBAの“つながりのデザイン”です。

手で描く、ALBAのデザイン
ALBAのデザインは、まず「描くこと」から始まります。筆を持ち、紙の上で線を探りながら、形を生み出していく。そこに宿るのは、デザイナーの思考と感情の痕跡です。私たちは、そのアナログな瞬間を大切にしています。近年、デジタルデザインが主流になる中で、手描きの工程を残すことは非効率に見えるかもしれません。しかし、ALBAではこの“非効率”こそが、独自性と深みを生む源だと考えます。手描きの原画は、後にスキャンされ、デジタル上で整えられ、繊細な色や構成が追求されていきます。感覚的な直感と、論理的な構築。その両輪が揃ってはじめて、ALBAらしい完成度が生まれるのです。布の上で動き出す柄、その一枚に込められた“筆の記憶”こそが、私たちのデザインの核です。

どこを切り取っても美しく
美しいテキスタイルとは、端の1cmを取っても調和が保たれているものだと思います。どこを切り取っても美しく見える。それは一見簡単なようで、極めて緻密な設計と感覚の積み重ねによって成り立つものです。ALBAテキスタイルデザイン事務所では、全体のバランスを意識しながらも、細部に生命を吹き込むことを心がけています。単なる装飾ではなく、布が空間や服の中で自然に息づくこと——それを理想としています。リピートのつなぎ目を感じさせない配置や、見る角度によって印象が変わる構成。デザインは常に“流れ”の中にあり、静止する瞬間がありません。どこを見ても完成された美しさがあること。それはALBAのデザイナーたちが、長年積み上げてきた手仕事の結晶です。

後書き
手描きの線から始まり、繋がり、布の上で息づく。ALBAテキスタイルデザイン事務所のデザインは、常に人の手と感性を中心に置いています。効率ではなく、深度。量よりも、心に残る一枚。私たちは日々の制作を通じて、“美しく存在する布”とは何かを問い続けています。描く手の温度や偶然の重なりが、やがて新しい調和を生み、ひとつのデザインとして形になる。その小さな瞬間の積み重ねこそが、ALBAのものづくりの原動力です。
新しいコレクションに向けて、図案や柄制作の外注をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたのブランドを、一枚の布から輝かせるデザインをご提案します。
テキスタイルデザイン、事務所株式会社ALBAの事業活動: 世界が広がる瞬間――「JAPANTEX2025」株式会社ALBA新たな挑戦 も合わせてご覧ください。
執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]