テキスタイルデザインでは、モチーフを配置する順番が全体の完成度を大きく左右します。画面全体のバランスを保つのは「大きいモチーフから」が鉄則。

大きな形をまず置くことで全体像が決まる
図案を考えるとき、大きいモチーフを先に配置することでデザインの土台ができます(下左図)。大きなモチーフのおおまかなレイアウトが決まった上で、小さいモチーフを構成していきます(下右図)。このように、レイアウトの順番を進めることにより、全体の方向性や動きを決めやすくなる効果があります。逆に小さいモチーフから置くと、後に登場する大きな要素が入り込むスペースを探しづらくなり、結果としてデザインの一体感が薄れてしまうのです。大きい形から順に置いていくことで自然にリズムが整い、視覚的にも「主役と脇役」の役割分担が生まれ、見る人の視線を自然に誘導できるのです。

「箱詰め」のイメージでモチーフを配置する
小さな箱から詰め始めると、大きな箱が入らなくなってしまう。大きなモチーフを先に配置しておけば、残ったスペースに中・小モチーフを入れていくことができ、きっちりと収まった無理のないバランスが完成します。

テキスタイルデザインにおいても同様で、配置の順序は仕上がりを左右する大切な要素。大きいものから順番に置くことで、調和とリズムのあるデザインを生み出せるのです。
