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料理とテキスタイルデザインの共通性〜影響の交錯〜

料理とテキスタイルデザインは異なるジャンルながらも、色彩や感覚、形の調和など多くの構成要素に共通項が存在します。デザインの新たな可能性を切り開くインスピレーションの源です。

テキスタイルデザインと料理の共通項

料理とテキスタイルデザインには多くの共通項が存在します。

テキスタイルデザインでは、色や形、全体のデザインバランスを調整することが、見る人や着る人の視覚的心地よさや高揚感に直結します。これと同じく料理においても甘味、辛味、酸味、塩味 苦味、うま味、などの多様な味覚が複合的に整えられることで、視覚だけでなく食感を伴い人の感覚に鋭く訴えかけ完成されます。このような多角的な「バランス感覚」が、両ジャンルの共通性として挙げられます。

デザインされた料理から学ぶバランス感覚

絵を描くことだけに集中しデザインワークを完成させると、視覚的な表現に偏りがちです。良いデザインを作り出するためには他の分野の感性や視点、多角的な感覚を取り入れることが非常に重要で,色彩・形だけでなく、質感や音、匂い、味覚といった五感で感じとることで自身のデザインワークにおいてもより深く心に響く作品づくりが可能になります。

料理紹介:ステファン・パンテル

ステファン・パンテル氏は、南フランス・プロヴァンス出身のフランス人シェフで、ニースやパリの名門レストランで修行を積んだ後、2001年に来日し京都を拠点に活躍しています。「フィリップ・オブロン祇園」や「クーラン・デルブ」のシェフを歴任し、2006年に祇園で自身のレストラン「KEZAKO」をオープン。『リョウリヤステファンパンテル』を2014年から運営しています。代表的なメニューには「フォアグラのコンフィ 奈良漬け巻き南国フルーツソース」。ステファン・パンテル氏の料理は、素材の選択や味の掛け合わせのバランス、色彩や形の調和が素晴らしく、とても強く五感を刺激されます。