本記事では「テキスタイルデザイン柄パターンとは何か」を解説します。
テキスタイルデザインにおける「パターンデザイン」は、生地の表情とデザインの完成度を左右する中核要素です。本記事では、リピート柄の基本概念からつなぎ目の構成方法、デザイナーが意識すべきリピート設計のポイントまでを、現場経験に基づいて解説します。

パターンデザインの定義と由来
パターンデザインとは、モチーフや図案の単位(ユニット)を繰り返して一枚の面を構成する技法を指します。英語のpattern designは「模様の繰り返し」や「形式美」を意味し、テキスタイルでは、布地全体に自然な連続性を生み出す構成設計を表します。
テキスタイルの柄は、モチーフが単独で完結するのではなく、縦横に連続して心地よく続くことで美しさが生まれます。そのためデザイナーは、柄の始点と終点、要素の配置バランス、余白の呼吸までも細かく設計します。リピート構成の精度こそが、完成した布の統一感と商品価値を高める重要な鍵になります。

英語圏における「pattern design」の概念
海外でも [pattern design(パターンデザイン)] は、テキスタイルにおける繰り返しの技法として理解されています。その特徴は、構成要素のリズムと秩序を重視する点にあります。
例えばファッションテキスタイルでは「repeat pattern(リピートパターン)」が用語として定着しており、アートプリントや壁紙デザインでも同様の概念が共有されています。モチーフの連続性を解析し、視覚的バランスを計算する作業は、国や文化を超えて共通の美意識を形成しています。

テキスタイルにおけるリピート柄の仕組み
布地デザインでは、「反物」や「生地幅」という物理的制約の中で柄を連続させる必要があります。モチーフが動きを持つ花柄や抽象柄であっても、布の左右端・上下端を綺麗につなげなければ、印刷や織り工程で継ぎ目が目立ってしまいます。
このためプロのテキスタイルデザイナーは次のような点を意識してリピートを設計します。
- ユニット(柄の最小構成範囲)を正確に定義する
- 始点と終点が自然に合うよう形や線を修正する
- 配色や陰影の流れを全体で均一に整える
- つなぎ目(境界部)に意図的な動きを加え、連続性を強調する
こうした繊細な調整が、製品になった際の「仕上がりの美しさ」に直結します。リピート設計は単なる作業ではなく、構成計算と感覚的判断の両立が求められるクリエイティブなプロセスなのです。

後書き:まとめ・リピート柄制作のポイント
パターンデザインは、つなぎ目と連続性の工夫が生命線です。このパターンを正確に作成することは、テキスタイルデザイナーとしての技術力が問われる重要なプロセスでもあります。柄のリピートを常に意識し、計算しながら構成することで、1枚の独自性と完成度の高い美しいテキスタイルが生まれます。
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執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]