地の色を重ねる“職人の技”。見えない継ぎ目が、美しい柄を生む。

地型オーバープリントとは ― 柄の奥行きを生む重ねの技
地型オーバープリントとは、布の地色(ベース部分)にもプリントを重ねて色や柄を表現する技法です。通常、地の部分は下地として残しますが、地型オーバーではその上からさらに別の色をのせるため、深みや陰影が生まれます。特にシルクスクリーンでは、広い面積に濃い色を乗せる際に繊細な調整が必要で、職人が目視で位置を合わせながら刷り重ねていきます。見た目には単純な色面でも、実際には何層もの工夫と技術で成り立っているのが、地型オーバープリントの魅力です。

型口とは ― 柄を途切れなくつなぐための“見えない境界線”
シルクスクリーンプリントは、鉄枠に張ったスクリーンを使って色を刷り込む仕組みです。しかし、1枚の枠の中に入る柄の大きさには限界があるため、同じ柄を延々と続けるには、枠と枠の「つなぎ目」を正確に合わせる必要があります。このつなぎ部分を「型口」と呼びます。型口を美しく処理できるかどうかで、柄の連続性や完成度が決まります。違和感のないリピートをつくるには、デザイン段階から型口を意識することが重要で、特に地型オーバープリントではこの調整が職人技の見せどころになります。
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執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]