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Photoshop新機能紹介「調和」で広がるテキスタイルデザインの可能性

テキスタイルデザインでは、地模様と上に重ねる柄を別々に描き、後から合成して提案することがあります。特に、背景の変更を求められるケースでは、ベースとモチーフを分けて制作しておくと柔軟に対応できます。Photoshopの新機能「調和」は、異なる画像要素を自然に馴染ませる強力なツールです。ここでは、その基本的な使い方を工程ごとに紹介します。

ピンクと紫の花と黒い葉模様の花柄のボタンアップシャツを着た人物。.

1. ベース画像とモチーフを用意する

地模様となるベース画像と、上に重ねる柄のモチーフをそれぞれ個別に準備します。モチーフは別レイヤーで作成しておくと、後の合成時に位置やサイズを調整しやすく、異なる背景に置き換える際にも便利です。

2. モチーフを切り抜く

上に乗せるデザイン部分を「選択範囲→被写体を選択」で自動抽出します。必要に応じて「選択とマスク」で輪郭を整え、背景から滑らかに切り離します。この工程を丁寧に行うことで、後の調和処理がより自然になります。

切り抜き方法:詳しくはこちらをご覧ください

角の生えた雄鹿が森の中に立っている。編集プログラムの選択アウトラインで強調されている。.

3. 配置のち「調和」の適用

切り取ったモチーフを、ベース画像のバランスの良い位置にドラッグして配置します。コンテキストタスクバーに表示される「調和」ボタンをクリックすると、AIが数十秒で複数の合成バリエーションを自動生成します。その中から質感や光のなじみが最も自然なものを選びましょう。

苔むした森に佇む鹿の角。画像下部に編集ツールが見える。.
AIによって生成された、緑の森に佇む鹿の3つの画像が、ソフトウェアのインターフェイスで選択可能なオプションとして表示されている。.

4. 微調整と完成

「調和」で生成された結果は、そのままでも完成度が高いですが、トーンカーブや彩度調整で細部を整えると、さらに統一感が増します。背景色やモチーフのトーンに応じて微調整することで、より自然なビジュアルが仕上がります。

苔と木々に囲まれた緑豊かな森の中に、大きな角を生やした鹿が立っている。.

あとがき

この「調和」機能は、特に提案ビジュアルを短時間で仕上げたい場面で効果を発揮します。まだ登場したばかりの機能ですが、テキスタイルデザインにおいても使いどころ次第で、制作の幅を大きく広げてくれる注目ツールです。

執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]