テキスタイルデザインは、自分だけのオリジナルの布やアイテムを作りたい方に最適なクリエイティブな趣味でもあります。初心者には敷居が高く感じられるかもしれませんが、基本を押さえれば楽しくスタートできます。今回は、画像制作ソフトの選び方から、簡単なパターン作成方法、そして実際に布に印刷注文する手順までを解説します。

目次
画像制作ソフトでパターンの元になるイラストを作ろう
テキスタイルパターン作りの第一歩は、元となる柄のイラストを作成することです。プロの現場ではAdobe PhotoshopやIllustratorが多く使われていますが、クリップスタジオペイントやProcreateなどのお絵かきソフトでも充分です。これらのソフトは線画や着色、多彩なブラシを使え、柄の質感やグラデーション表現も可能です。
まずはシンプルなモチーフから描いてみましょう。花や葉っぱ、幾何学模様など、身の回りにある好きなデザインをスケッチしてデジタル化します。デジタルの場合はレイヤー機能を利用して線画と色分けを分けると修正しやすくなります。
また、デザインのポイントは「繰り返し部分(リピート柄)」の構成と相性が良いパターンであることです。単発のイラストでも構いませんが、繰り返しを見据えた大きさや間隔を考慮すると後の作業がスムーズです。色数は最初は多くせず、2〜3色程度に抑えるのもバランスを取りやすいコツです。
これらのソフトはチュートリアルや無料の素材も多いので、最初の段階で操作に慣れるために動画や解説サイトを活用しましょう。

簡単リピートパターンで繰り返し模様を作る
イラストができたら、次はパターンとして繰り返し使える模様に配置していきます。テキスタイル業界でよく使われる「ハーフステップ送り」(レンガ積みのような配置)は仕上がりが美しいですが、少し難易度が高い作業になります。
まずは「正送りパターン」(四方リピート)と呼ばれる並べ方でチャレンジしましょう。これは上下左右に絵をそのまま繰り返すシンプルな方法で、ソフトの基本機能でも簡単にできます。


配置の際は以下の点に注意しましょう
- イラストの大きさが大きすぎたり、小さすぎたりしないか確認する。布全体の雰囲気に合うサイズ感が大切です。
- 絵と絵の隙間(空白部分)が均等でバランスよく見えるかをチェック。隙間が詰まりすぎているとごちゃつき、広すぎると間延びした印象になります。
- 継ぎ目が目立たないかも確認。自然な繰り返しに見えることが理想です。
これらを調整しながら繰り返し模様を作成し、全体のバランスが整ったら一度テストとして画面いっぱいにリピートさせてみて見栄えを確認しましょう。
オリジナル布の注文と仕上げ
完成したパターンは、1メートル単位で布に印刷できるプリントサービスを利用して注文しましょう。国内外にオンライン発注できるサイトがいくつかあり、少量からでも対応可能です。注文前に色味やサイズ感の確認サンプルがあれば取り寄せると安心です。
オリジナル布を使ったハンドメイドや商品の展開も夢が広がります。初めての挑戦でも、ここまで順を追って進めれば初心者でも満足のいく作品を作ることができます。

オリジナルの布を1メートル単位で印刷できる主なプリントサービス会社をいくつかご紹介します
- ファブリックデザイン(imagemagic.jp運営)
1mから追加料金なしでオリジナル布プリントを注文可能。Web上で画像アップロードからリピート柄作成まで完結し、顔料や昇華転写など複数プリント方式に対応。小ロットからスムーズに注文できます。 - ベビーロック・プリンティング
デジタル捺染による高品質なオリジナル生地プリントサービス。1mから対応で、綿・麻・絹など様々な素材にプリント可能。染料プリントならではの美しい発色が特徴です。 - CONTRADO(コントラド)
最小ロットなしで1mからプリント可能。最短1~2日で生産でき、コットンやシルクなど多様な生地に対応。海外発のサービスですが、高評価レビュー多数で信頼が厚いです。


あとがき
仕上がっているテキスタイルを購入するのもまた柄選びなどの楽しみがありますが、自分でデザインした布には特別な思い入れが湧きます。自分だけの柄は世界にひとつだけ。作る過程も含めて、愛着がどんどん深まります。是非あなただけの特別なテキスタイルデザインにチャレンジしてみてください。