テキスタイルデザインは右脳と左脳のネットワークが協調し、感性と論理を融合させることで、より深みと機能性を持った作品が生み出されます。

有名な研究レポート・論文
右脳と左脳の機能や役割については、米国を中心とした多くの大学や研究所で脳科学・認知心理学分野の研究が活発に行われています。ハーバード大学では脳卒中を経験した脳科学者ジル・ボルト・テイラー博士が、左脳の機能喪失と右脳感覚の拡張を自らの体験をもとに科学的に報告し、その著作『Whole Brain Living』『My Stroke of Insight』は世界的に有名です。最新の神経科学では、「右脳型・左脳型」に関する理論や神話の検証(Neuropsychology, Neuromyths)も話題となっています。

両脳の融合プロセス
多くの研究をもとに左脳は主に言語、計算、論理的思考、分析力、時間感覚を担い、情報を体系的・理論的に処理。右脳は直感、イメージ変換、創造性、想像力、空間認知など感覚的・芸術的要素に関わり、全体把握やひらめきを司ることがわかりました。両者は「脳梁」を通じて連携し、互いに補い合いながら複雑な作業を可能にしています。

実践例・訓練方法
手と脳は神経を介してクロスしてつながっているため、右手を使うと左脳が、左手を使うと右脳が主に働きやすくなります。日本人は、右利きが美しいとされる風習や他者と同調する文化の影響もあって、幼い頃から右手が使われることが多く、自然と左脳に偏った論理的思考や分析力が発達しやすくなります。

この偏りを無くして左右の脳を効率よく使えるようにする方法としては、左手でのデッサンや左手で箸を使う練習、色彩感覚を磨くなどのトレーニングが効果的です。脳の左右バランスを整え、創造力と計画力を同時に高めることが肝要です。テキスタイルデザインに必要な「右脳の感性」や「左脳の論理」を効果的に刺激することでより質の高いデザイン制作が実現します。