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「伝わるデザイン」にはストーリーが織り込まれている

模様やイラストの中に丁寧に物語の情景が重なり合うことで、テキスタイルは単なる美しい装飾以上の存在になります。物語を感じるデザインは、見る人の心に深い共感を呼び起こし、暮らしに寄り添う温かさと意味をもたらします。

無地を背景に後ろ足で直立する黒と白の犬のイラスト。.

「犬と手紙—ストーリーが生む共感」

犬のイラストを描くと、それはただ“犬がいる”だけの絵になります。しかし、犬が手紙を咥えていれば、どうでしょう。“誰に、どこへ届けるのか”という背景が生まれ、見る人それぞれが想像し、新たな物語を思い描きます。テキスタイルにストーリーが加わることで、共感と親しみが芽生えます。使う人の内面とリンクし、思い出や願い、夢さえも重ねあわせるきっかけに。物語が織り込まれた柄は心に残り、長く愛されるテキスタイルとなるのです。

茶色と白のかわいい子犬が封書をくわえているイラスト。.

「モチーフの意味—暮らしに響くデザイン」

犬の背景に風船が浮いていれば、風船の行方に思いを巡らせたりと、物語はどんどん広がります。こうしたストーリー性のあるデザインは、見る人の頭の中で自由に展開し、人それぞれの物語と結びつきます。ストーリーを内包したテキスタイルは単なる装飾ではなく、「なぜその柄を選ぶのか」「なぜそれが心に響くのか」という深い意味を持ち始めます。デザイナーは描写の奥にある“理由”や“必要性”まで考えることで、魂のこもった生きたテキスタイルを生み出せるのです。

大小2匹の犬が、頭上に浮かぶ赤い風船に向かって座っている。.