黒い布に薄い色の柄を表現したいとき、バッセンという技法がよく使われます。バッセンは染まった布の一部の色を抜くことで柄を作る方法で、黒い背景に白や薄い色の線や模様を描くことが可能です。

抜けた部分への色入れと染料の違い
バッセンで色が抜けた部分にはさらに色を加えることもでき、柄を多色で彩ることが可能です。反応染料は繊維と強く結合して抜けにくい「不可バッセン」タイプ、酸性染料は抜けやすい「可バッセン」タイプです。これらの特性を活かし、抜ける部分と抜けない部分を組み合わせながら色を入れることで、黒地に映える美しい薄い柄を表現します。バッセン技法はこうした複数の工程の組み合わせで、より自由度の高いデザインを実現できるのが魅力です。


反応染料の特徴と抜染の難しさ
反応染料は繊維と化学反応して強く結合するため、色が繊維にしっかりと固定されます。そのため、抜染(バッセン)は基本的に難しいです。強い薬剤や特殊な方法が必要で、簡単に色を抜くことはできません。主に綿や麻などの植物繊維に使われることが多く、耐久性が高いのが特徴です。
酸性染料の特徴と抜染のしやすさ
酸性染料はイオン結合で繊維に付着しており、主にウールやナイロンに使われます。イオン結合は反応染料の共有結合より弱いため、還元剤などを使った抜染が比較的容易です。そのため「可バッセン」とされ、抜染処理が実用的に行われています。色の調整や染色のしやすさも特徴です。
