インクジェットプリントとオートスクリーンは、それぞれ異なる利点を持つ代表的なプリント技術です。デジタルの精密さを生かしたインクジェットプリントと、大量生産に強い伝統的なスクリーンプリントの自動化技術であるオートスクリーン、その特徴や用途の違いを詳しく解説します。


インクジェットプリントとは
インクジェットプリントは、コンピューター制御により生地に直接インクを吹き付けるデジタルプリント技術です。版を作成せずに印刷できるため、準備時間やコストを抑えつつ、少量多品種の生産に非常に適しています。多彩な色表現と細かいグラデーション、写真のような高精細なデザインも得意で、染料を使うことから生地の自然な風合いを維持しながら美しい色彩を実現します。自由なデザイン展開が可能で、小規模ブランドや試作品製作に人気の技術です。


オートスクリーンとは
オートスクリーンは、従来のスクリーンプリント技術を自動化したもの。金属枠に張った版を使用し、その網目を通してインクや染料を生地に転写します。1色ごとに版を用意し、色の重ね合わせでデザインを作り出すため、多色や複雑なグラデーションは苦手ですが、高い生産効率と耐久性が魅力です。特殊な発泡加工や抜染、箔貼りなど多彩な加工も可能で、長尺の大量生産に向いています。製版にコストと時間がかかりますが、安定した大量印刷を求める企業に適しています。
インクジェットは表現の自由度と短納期、小ロットに強く、オートスクリーンはコスト効率と品質安定性、大量生産に強みがあります。使い分けることで、目的に最適なプリントが可能です。
