ふんわりとした方向性やコンセプトから、一緒に形にしていくのがテキスタイルデザイナーの役割。相手の感覚に寄り添いながら、完成のイメージに導く姿勢が、信頼を築く大切な一歩になります。

ツアーガイドのようにクライアントの望む旅路を共に探る
デザインの打ち合わせでは、まるでツアーの準備のように、まずクライアントがどこへ行きたいのか、どんな旅をしたいのかをしっかり感じ取ることが大切です。好みや方向性のヒアリングを丁寧に行い、クライアントが心に描くイメージを拾い上げます。その上で地図を描くように、最適なルートやプランを一緒に考え、共通のビジョンを確かめながら歩みを進めていくことが理想的なデザインプロセスです。

想いを汲み取りながら形に導くデザイン打ち合わせ
デザインの打ち合わせでは、「この雰囲気が好き」「方向性は決まっているけれど、まだ具体的に落とし込めていない」というケースも少なくありません。そんな時は、「どうしましょうか」と受け身で尋ねるだけでは、進む道が見えにくくなってしまうこともあります。テキスタイルデザイナーとして大切なのは、クライアントの中にある言葉にならない感覚をすくい上げ、形へと導くこと。「こちらの方向ですと、こういった印象になります」と丁寧に提案を重ねていくことが、理想のテキスタイルデザインへの道を拓きます。
執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]