絵を描く人は、感性に基づいて自分の世界を深く表現します。しかしテキスタイルデザイナーは、自分自身の感覚よりもクライアントの理想に寄り添い、共感し、形にする力が求められます。そこにテキスタイルデザイナーの営業力の本質があります。

共感する力が必要になる理由
デザインを提案する時、一方的に作品を制作するだけでは十分ではありません。 クライアントが求めているものや、ブランドのストーリー・製品に込めた想いを理解し、同じイメージを感じ取る『共感する』ことが大切です。 深く共鳴することで安心感が生まれ、「この人に任せたい」と思ってもらえるようになるのです。

相手の「好き」に寄り添う力
子供のころから美しさや楽しいと感じた瞬間を色や線で表現することが私の日常でした。 他者にどう見られるかではなく、自分が納得できるまで絵を描き続けることに夢中だったことを思い出します。テキスタイルデザイナーとなり、クライアントの想いやイメージを丁寧に受け止め、相手の「好き」に真剣に寄り添うことこそが、デザインの本質であることを知りました。自分の感性を超えて相手の価値観を考え形にする力が、今の私を支えています。