現代のデザインは、想像の「見た目の良さ」を超えて、社会課題や環境問題、多様性の尊重といったテーマを育む時代に突入しています。デザイン界で注目されるキーワードを取り上げ、それぞれの特徴と背景を探ります。

1. ナチュラリズム(ニューナチュラリズム)
ナチュラリズムは「自然素材」と「現代」の融合をデザイン、自然の質感や色彩、形状などを現代的なデザインに取り入れる手法です。 トレンドカラー「モカ・ムース」のように、暖かさと落ち着きを感じさせるアースカラーが多用され、木材や石、植物をモチーフにしたテクスチャーや癒し、安心感を提供します。
- 自然の素材感を活かしつつ洗練された現代的なレイアウト
- カラーアースやくすみカラー採用
- ライフスタイル、美容、食品、サステナビリティブランドなどとの親和性が高い

2. サスティナブルデザイン
サスティナブル(持続可能)デザインは、環境への配慮と企業の社会的責任(CSR)を強く意識したデザインです。再生可能素材やリサイクル可能なパッケージの使用はもちろん、エネルギー効率を考えて設計、廃棄物の削減を目指して取り組んでいます。
- 地球環境にやさしい素材や技術の活用
- 自然との共生をテーマにしたビジュアル
- 環境問題を強く訴える企業のブランド戦略に必須

3. インクルーシブデザイン
インクルーシブデザインは、多様なユーザーのニーズに応える設計で、障がい者や高齢者、外国人を含む様々な人を排除するのではなく比較的すべての人に使える製品やサービスを目指しています。
- マイノリティを含めた幅広いユーザー視点の導入
- 物理的・感覚的なアクセシビリティの向上
- 心理的な満足感と包摂感の実現で顧客体験を向上


テキスタイルにおいての価値と役割
今期は、自然素材やアースカラーを取り入れて心地よさと癒しを表現するナチュラリズム、再生繊維やリサイクル素材の活用環境など負荷を軽減し企業の社会的責任を示すサスティナブル、多様な体型・背景を持つ人々が快適に着られる服を目指すインクルーシブデザイン、これら三つの柱が消費者の価値観変化に伴って、ブランド性と独自性を高めるため注目を集めています。