抽象的でモダンなテキスタイルデザインを生み出すにも、まず対象の本質を掴む観察力とデッサン力が必要です。写実から引き継いだ土台があるからこそ、「今っぽさ」や「可愛らしさ」が自然と表現できるのです。


抽象デザインの裏にあるデッサン力・観察力
表面的な線や色だけを追いかけていると、抽象はただ崩れた絵になってしまいます。 魅力あるテキスタイルにするには、モチーフが持つ『動き』・『リズム』・『構造』を理解することが大切です。 そのためには、スケッチや細かい観察を怠らないことが肝要。 骨格や構造を知るためには、大胆に形を変えても崩れないデッサン力が必要となります。抽象的なフォルムに崩す前にはクロッキーやデッサンを繰り返しこれらを把握することが必要となります。

形を表現するための確かな土台
スタイル画として人物を描く際も同様に、骨格や体のライン、姿勢の軸を正確に把握することが重要です。その上でスタイル画を描くことで、身体に沿ったファブリックの動きや落ち感、張り感なども自然に表現できます。

スタイル画を描き起こしてみることはテキスタイルデザイナーにとっても重要で、柄の配置やスケールを決める際にも役立ちます。平面上で美しい柄を描くだけではなく、その柄が立体としてどのように身体と関わるかまで想像することで感度の高いテキスタイルデザインに仕上がるのです。