テキスタイルデザインは、季節や素材、服の形によって印象は大きく変化します。春夏秋冬、それぞれの魅力を引き出す柄は、街の風景や空気感までも豊かに彩ります。
春先 – 柔らかな色と小柄の調和
春先は、淡いパステルや柔らかなトーンのプリント柄が自然に映える季節です。 花や草木が芽吹く風景と合わせて、中柄から小柄程度のデザインが好まれる傾向があります。 素材は軽くて柔らかな風合いのものが多く、ほんのり透け感のある布地や優しいブランケットの生地が春の空気を運びます。
夏 – 大胆で色鮮やかなプリント
夏は一年の中でも特にプリント柄が街に溢れる季節です。 大小さまざまな柄が登場しますが、全体はやや大柄なデザインに移行する傾向があります。
晩夏〜初秋 – 温もりを渡した色彩
夏カラーから、秋らしい落ち着いた色合いへと移行します。植物が紅葉をはじめ、テキスタイルも温かみのあるブラウンやオレンジ、カーキが主役になっていきます。 気温が年間で最も快適なこの季節は、着心地の良い柔らかな素材が好まれます。生地感と相性の良い小花や植物モチーフがあしらわれた柄などが登場します。
冬 – 静かな華やぎをまとうクラシック柄
冬は古典的なモチーフが似合う季節。しっかりとした更紗柄やオーナメント調のデザインが、落ち着いた色合いとともに上品に見えます。 室内で過ごす時間が増えるため、日本の冬服は飛躍的な防寒仕様よりも日常に溶け込むデザインが中心。 厚みのあるウールや起毛素材に、重厚感のある柄が映えます。無地のように小さな柄も人気。