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正解を導く「大砲理論」|デザイン提案を成功に導く思考法

赤と青の大きな年代物の大砲が、風化した古い建物のそばの生い茂った庭に鎮座している。.

「一度大きく向きを変えて外すことで見える正解」

「もう少し可愛くしてほしい」「雰囲気を柔らかく」など、デザイン現場では抽象的な言葉が多く、感覚のずれが生じやすいものです。そんな時こそ試してほしいのが「大砲理論」。最初の一発で的を外したら、一度反対側に大きく標準を合わせ直して、もう一度大砲を打ってみる。すると、「最初と今回の中間くらいで」といった明確な反応が返ってきます。外した経験がクライアントとの距離を縮め、結果的には正解を導く羅針盤になるのです。

大きな紙に鉛筆で細かい花をスケッチする手。.

「感覚を的確に捉える“距離感の理論”」

大砲理論の本質は、感覚の中心点を見つけるために思い切り両極を体験することです。わずかな修正を重ねるより、的を外したらあえて反対側へ照準をずらしてみる。その大きな振り幅が、相手が求めているテイストを立体的に浮かび上がらせます。例えば花柄で「優しく」と指示されたら、一案は淡く繊細に、もう一案は大胆で華やかに。その往復の中間に、最も“伝わる可愛さ”が存在します。距離を測るために外す――それがプロの提案の精度を上げる発想法です。

ノートに鉛筆で細かい花をスケッチする人。.