本記事では2027年のデザインプリント・トレンドの動向分析をまとめました。感情がにじむ色と質感が主役。自然と対話するオーガニックな素材感、光や空気を感じる淡色レイヤー、そしてユニセックスに広がる“ハイブリッドな機能美”が、新時代のファブリックを形づくります。

柔らかさを誘うエモーショナル・プリント
2027年のデザインプリントは、「視覚情報としての柄」から「空気や気配を感じさせる情感メディア」へと中心軸が移っています。グラデーションを重ねたぼやけた輪郭、光のひかりを模したミスト状のレイヤー、ゆらゆらとした輪郭が特徴です。
花や風景、小規模なモチーフが“部分的に見え隠れする”構成が多く、完璧な繰り返しではなく、少しズレたリズムや透け感を味にした配置が好まれます。これにより、見る人の想像力がプリントの“残り香”を育てる仕組みになっています。
さらに、単体の柄ではなく、複数のラインと色を“雲のように重ねる”手法も増えており、ユニセックスウェアやインテリアファブリック双方に確信性のある、ゆるやかに進化したパターン語彙が形成されています。

自然との対話が促すオーガニック感覚
この5年間で進んだサステナブル意識は、単なるプロセスではなく「自然とお話をする視覚言語」へと昇華しています。自然の木目や岩肌、葉脈などをベースにしたリサーチデータをそのまま描き取らず、少しデフォルメした“ハンド風リズム”で再構成する傾向が顕著です。
再生素材や低環境負荷加工ファブリックとも連動し、白やベージュ、ライトグレーといった軸色のベースを温かく保ちつつ、ラベンダー、シトラスグリーン、ミルクティピンクなどをアートフルに差す配色が増えてきました。
これにより、インテリア空間では“落ち着き”を、アパレルでは“放つ心地良さ”両方に寄り添う、内側からの安心感を伴うデザインが主流になりつつあります。

ハイブリッドな機能美と親しみのある派手さ
2027年には、「軽さ」「防水・UV対応」といった機能を備えたマテリアルに、遊び心があるスタイルが重ねられる“ハイブリッド・バランス”がキーワードになっています。軽やかで速乾性のある素材は、スポーツウェア由来のディテール(ストライプ、スリーブライン、ウェルト位置など)をフェミニンなシェイプで包み込みます。
一方で、インテリア側では“メガマキシ・パターン”の復活も顕著で、アールヌーボーやモダンアートとデジタルグラフィックが混ざった派手さを、ラベンダー光沢やエメラルドブルーグリーンなど、光を吸収しつつ反射する色でコントロールします。
結果として、「機能しても元気」「上品でもキュート」「静かでも個性的」な、相矛盾する要素が共存する“バランス志向のジャンル越境デザイン”が、2027年のサマーコレクションからグレーの家空間まで貫いています。
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執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]