テキスタイルデザインを発注する際どのように伝えたら良いか?とお悩みのデザイナー様もおられるかと思い、スムーズに発注が進むようご依頼内容を10項目にまとめてみました、最初の情報共有が十分であるほど、デザインの方向性が明確になります。この記事では、発注時にお伝えいただくとスムーズに発注が進む10のポイントをご紹介します。

もしもこの記事で解決しないご質問や、ご不明な点がございましたら、どうぞ気兼ねなくお電話またはお問い合わせフォームからご連絡ください。皆さまのご要望にお応えできるよう、丁寧に対応させていただきます。
お電話でのお問い合わせはこちらから 075-393-3952

目次
1.デザインの背景と全体像を伝える
どんな世界観やブランドイメージの中でその柄を生み出したいのかを共有しましょう。商品コンセプトや販売方向性などをお話いただくことで、誤解や“プレ”が生じにくくなり、より的確なデザイン提案が可能になります。
2. シーズン(春夏・秋冬)を明確にする
春夏(SS)と秋冬(AW)では、求められる色味やタッチの表現が異なります。季節のトレンドや展開時期を早めに共有しておくと、適したトーンや柄のリズム感をデザインに反映することができます。
3. 加工場(国内・海外)の情報を伝える
実際にどこで加工するかによって柄の制約が変わる場合があります。特にリピート柄では、“送り”の大きさが加工場によって異なるため、発注先の仕様を事前に把握しておくことが重要です。
4.加工方法を共有する
インクジェットプリントやオートスクリーンプリントなど、加工方法によって表現の自由度が異なります。インクジェットなら絵画のような繊細な描写も可能ですが、スクリーンの場合は色数や表現に制限があります。
5.参考資料を用意する
イメージの共有には、雑誌の切り抜きや写真、手書きのラフなどが効果的です。テキスタイルデザイナーが方向性を正確に捉えやすくなります。ただし、版権や肖像権の問題を避けるため、資料は必ずアレンジを前提に使用します。

6.製品の種類を知らせる(柄の大きさの把握)
最終的にどんなアイテムに使うのか(ワンピース、小物、ボトムなど)を伝えましょう。柄のスケールは用途により変わります。小物なら小柄、大きなドレスなら広がりのある配置が適しています。
7.柄の細かさや表現の方向性を伝える
繊細なタッチを希望するのか、あるいは大胆な筆致を望むのかを明確にしておくと、デザインの完成度が上がります。期待する“表情の強さ”を言語化して共有すると、仕上がりイメージのずれを防げます。
8.おおまかな納期を共有する
店頭での販売開始時期から逆算し、加工スケジュールや布地手配の進行状況とともにデザインの最終決定時期を共有しましょう。これにより、全体のスケジュール調整がスムーズに進み、納期遅延のリスクが減ります。
9. プリントする布地の種類を伝える
布地の質感(シフォンのように透け感のある素材、サテンなどの光沢素材、天然繊維や合繊)によって、発色や線の出方が変わります。特性を伝えることで素材に最適化された柄設計が可能です。
10. スタイリングやパターンの情報を共有する
最終製品のシルエットやパターンの取り都合がわかる資料があると、柄の入り方をより美しく計画できます。ワンピースなのかトップスなのかといった情報を伝えることで、デザインの完成度が高まります。
まとめ
発注時に10項目の情報をもとに、依頼者の持つイメージや考えをできるだけ多く共有させていただくことが重要です。詳細な仕様だけでなく、ブランドの世界観や方向性など全体像をテキスタイルデザイナーに伝えることで、より精度の高いデザイン提案が可能になります。また、制作の初期段階でヒアリングを重ねることで、互いの理解が深まり、意図やイメージのズレを防ぐことができます。結果として、制作過程がスムーズに進み、完成したテキスタイルもイメージとのブレがなく、より満足度の高い仕上がりが実現します。
