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華麗なるアンティークレースの世界:伝統から現代へ織りなす装飾美

繊細な糸が描く美の結晶、レース。アイルランドやフランス、イタリアなど各地で育まれた伝統の手編みレースから、現代の機械・ケミカルレースまで、デザインの多様性を生む魅力を紹介します。テキスタイルに息づく優雅な装飾の系譜を探ります。

赤地に花柄と巻物模様が施された複雑なクリーム色のレース。.

伝統手編みレース(Handmade Lace)

伝統手編みレース
 アイリッシュクロッシェ、アランソン、ベネチアン、ギュイピール、グロ・ポワン、シャンティイ、ドゥシェス、ニードル、バテン、ブリュッセル、ホニトン、ロシアン、キューピールなど。
 各地の歴史と職人技が光り、立体感やレリーフ模様が華やかな装飾性を生み出しています。

  • アイリッシュクロッシェレース:アイルランド発祥のクロッシェ針編み。花や葉の立体モチーフが特徴で、柔らかく装飾性が高いアパレルレース。
  • アランソンレース:フランス・アルアン地方のニードルレース。六角網目と立体花刺繍が豪華で、ウェディングドレスに最適。
  • ベネチアンレース:イタリア・ヴェネツィアのニードル/ボビンレース。重厚レリーフ模様が宝石のような高級感を放つ。
  • ギュイピールレース:フランス産のボビンレース。太い糸の連続六角網目が繊細で、ドレスの縁取りや装飾に用いられる。
  • グロ・ポワンレース:ヴェネツィア風ニードルレース。太い糸で大胆な花文様を描き、重厚で存在感のある装飾美。
  • シャンティイレース:フランス・シャンティイ地方のボビンレース。軽やかな六角網に花柄が優美に浮かび、ヴェールやブラウスに最適。
  • ドゥシェスレース:ブリュッセル由来の花モチーフニードルレース。豪華で立体感があり、ハイエンドファッションに多用される。
  • ニードルレース:針で直接糸を編む伝統技法。細密な網目と刺繍表現が特徴で、ベネチアやアルアンレースに代表される。
  • バテンレース:ベルギー・ブリュッセルのボビンレース。細い糸で複雑な花柄を構成し、繊細で高級感のあるドレス用素材。
  • ブリュッセルレース:ベルギー産のボビンレース。リアルな花立体模様が芸術的で、王族や式典用ドレスに多用される。
  • ホニトンレース:イギリス・デボン地方のボビンレース。花輪モチーフと繊細な網目が特徴で、王室ウェディングとしても有名。
  • ロシアンレース:ロシア伝統のニードルレース。雪結晶を思わせる幾何学模様が独特で、寒冷地の文化装飾に根付く。
  • キューピールレース:ピールレースの花密集型。豪華な立体花がカップ状に浮かび上がり、ヴィンテージドレスに映える。
クリーム色の花の横に、ダークな背景に複雑な模様のベージュの花柄レースの縁取り。.

機械・特殊レース(Machine & Modern Lace)

機械・特殊レース
 エンブロイダリー、ケミカル、コード、チュール、ボビンなど。現代のアパレルに欠かせない工業的レースとして量産とデザイン性を両立。軽やかで現代的な表現を可能にしています。

  • エンブロイダリーレース:刺繍機で基布に模様を施すレース。チュールやケミカル基盤に対応し、量産可能で多様なデザイン展開が可能。
  • ケミカルレース:化学溶解によって基布を除去し、糸模様のみを残す現代技法。軽やかで透明感があり、アパレル分野で広く普及。
  • コードレース:コード糸を織り込んで平面的に仕上げる機械レース。耐久性が高く、カジュアル衣料にも適している。
  • チュールレース:網状チュール生地に刺繍を施すレース。軽やかな透け感と繊細な柄が特徴で、ドレスオーバーレイに最適。
  • ボビンレース:ボビン(糸巻き)を用いて糸を交差させて編む伝統技法。ギュイピールやシャンティイの原型で、現在は機械化された。
生地に施されたベージュの花柄レース刺繍のクローズアップ。.

引用元:アンティークレースの種類と歴史


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執筆:代表取締役・テキスタイルデザイナー安田信之:株式会社ALBA・[ 著者情報 ]